こどものためのリトミックって何ですか?

リトミックは、スイスの音楽教育家であるエミール・ジャック=ダルクローズ(1865~1950)が考案した教育法です。こどものためのリトミックは、ジャック=ダルクローズが提唱したリトミックにわが国の風土、文化にみあった子どもの生活習慣を付加し、より自然な形での実践を目指すものです。
子どもが子どもらしくあるために、子どもの目線に立った指導を展開するリトミックは、今、もっとも注目されている教育のひとつと言えます。リトミック研究センターは、時代にこびることなく、つねに優しく子どもたちを見つめ続けています。

(1)「生活習慣」
言語、数、感覚などをテーマに、いろいろな教材を使用して興味付けをし、子どもたちの“自ら発達しようとする力”を援助し、自主性と集中力、自立心と責任感などを育成します。
(2)「音感教育」
音楽に身体全体で反応させることにより、リズム感や音感などを培います。
(3)「情操教育」
音楽を通じて、自然や生活などいろいろなテーマで自己表現することを学び、感受性豊かな情操を育みます。

こどものためのリトミックの目標は?
  • ●情操教育(心の教育、人間教育、自立心)
  • ●音感教育(音感、リズム感、拍子感、音楽の楽しさなど音楽の基礎)
  • ●生活習慣(言語、数、感覚)

がこどものためのリトミックの“ねらい”です。

保護者も子どもと一緒にやるのですか?

0~3歳は、おうちの方(保護者)といっしょにするカリキュラムです。

  • (1)レッスンでは、まず先生やおうちの方が見本を示します。この時期は、“模倣期”と言われるように、とてもまねっこが好きで、じょうずです。先生、おうちの方、お友だち、お友だちのおうちの方、などみんなの真似をして、吸い取り紙のように吸収して自分のものにしていきます。
  • (2)おうちの方が、他のお子さんといっしょにすることもあります。つい、自分の子どもだと厳しすぎたり、あますぎたりしてしまいますが、他のお子さんといっしょにすることで、自分のお子さんを客観的に見て、冷静に接することができるようになります。
  • (3)ご自宅ではおうちの方が先生です。おうちの方も、レッスンに参加していただいて、レッスンの内容を確認してください。ご自宅では、おうちの方が先生になって、レッスンのまねっこをすることでお子さんの理解が深まります。また、お子さんとのコミュニケーションも高まります。
下の子がまだ6か月なので、子どもといっしょにできないのですが・・・。

1~3歳のお子さんの場合は、そのようなケースが多いですね。カリキュラムの中には、おうちの方といっしょにするテーマもありますが、その部分は先生が配慮しながらレッスンを進めます。

受付か担当の先生に事情をお話しください。

リトミックと体操とはどう違うのかしら?

リトミックは「五感で感じたこと」を「頭でよく考えて」、「体全体で表現する」心身一体の教育です。

とくに「思考する」要素が、ゲーム感覚で盛り込まれており、筋肉作用だけでなく、脳作用も活発に行なわれています。

お遊戯と違う点は?

リトミックは、決められた振付けを何回も練習するのではなく、自分が感じたこと、考えたことを自己表現していきます。

いろいろな教具があるようですが。

リトミックの「音楽と動き」は、子どもたちの「表現」に結実します。
こうした表現活動の素となる、イメージ(創造)力を養うための教具を導入しています。
子どもの発達成長を考慮した年齢別教具で、音符などの「リズム」の他、「言語」「数」などもやさしく理解していきます。

教室では先生と、ご自宅ではおうちの方と楽しく活動することで、子どもたちの「表現」を豊かに育みます。

はさみやのりも使うのですか?

リトミック教具の中には、はさみやのりを使う”クラフト”教具があります。
これらは、製作を通してイメージ(創造)力を養っていくのはもちろん、指先を使った運動(微細運動)は、目と手先の協働を促し、子どもたちの脳に良い刺激となります。

子どもが製作した”クラフト”は作品です。成長の良い思い出になりますよ。

レッスンは何人くらいでしますか?

6~8人くらいのグループレッスンです。

先生とおうちの方が、子どもたちをやさしく見守ることが出来る、少人数制です。

個人のリトミックもあるのですか?

グループレッスンが基本ですが、1人しかいない場合や、進度が進んでいるクラスへの入会時に、個別フォローを行う場合があります。

0~3歳児と4・5歳児の内容の違いは?

0~3歳児までは、できたことを繰り返しすることを好みます。
繰り返し習慣化することで、感覚を身につけていくのです。
4・5歳児になると、繰り返すことを嫌い、先進むことを望みます。

こうした習性から、0~3歳児までは、スパイラル式カリキュラム(繰り返しが多い)、4・5歳児になると、ステップアップ式カリキュラムを採用しています。

うちの子は2歳ですが、4月生まれなので、1歳上のコースに入れたいのですが。

こどものためのリトミックは、幼稚園や学校と同じ学齢制のクラスです。

教室でのお友だちとの関わり合いを通して、実生活の社会においても、【協調性】【社会性】などが活かせるように考えています。

うちの子は3月生まれなので、ついていけるか心配です。

リトミックでの活動も、子どもによって個性があります。

学齢制の保育園や幼稚園、学校での友だちとの関りに慣れるように、先生とおうちの方でやさしく見守っていきましょう。

さっき体験レッスンに参加させてもらったのですが、うちの子はあまりなじめませんでした。大丈夫かしら?

小さいうちは、おうちで少人数だったり静かに遊んでいる環境にいることも多いですよね。新しいお友だちがたくさんいて、びっくりしたのでしょう。

何か月もかかる子もいますが、少しずつお友だちとの環境に慣れていけるように先生とおうちの方で見守りましょう。